三重県の学力って?
2009年01月19日
年が明け新年を迎えた。2009年だ。
ついこの間ミレニアムという言葉を使っていたような気がするが、
既に10年近くが経っているのだ。
その当時は90年初頭のバブル経済崩壊の影響も少し落ち着き、
一部ではITバブルと言われ、コンピューター関連が賑わった頃だった。
そんな中の2002年から始まった「ゆとり教育」という当時の新指導要領。
施行当時から「学力低下」の危険性が取りざたされていたが、
私教育の現場を担う塾業界では当然そうなることはわかっていた。
当塾では学校では扱わなくなった内容も授業に取り入れてやっていたが、
生徒側から
「こんなんやったってどうせテストにでやんのやろ?」
「こんなに勉強せんでも高校行けるんやろ?」
挙げ句に親から
「学校で扱わない内容までするなら辞めます。」と退塾者もでた。
今振り返れば、生徒や親のみならず地域や社会全体が教育に関して
「のほほん」とした雰囲気になっていたような気がする。
そんな教育課程で育ってきた子供たちの学力を確認する目的で
一昨年から実施されている「全国学力調査」について書きたい。
昨年秋頃、テレビニュースなどで大阪の橋本府知事が府の教育委員会に
「このざまは何だ!」
と一喝していたのを覚えている方も多いのではないか。
その元になっているのが、「全国学力調査」の結果である。
その結果が都道府県ごとに公表され、下位に低迷した大阪府の橋本府知事が怒ったのである。
では、我が三重はどうだったか。
その事についてあまり報道もされていないので、ご存じない方も多いかもしれないが、
事態は大阪以上に深刻なのだ。実態はこうだ。
大阪府 三重県
小学6年生国語A(基礎) 42位 41位
B(応用) 45位 44位
小学6年生算数A(基礎) 37位 40位
B(応用) 34位 36位
単純に順位や得点で学力について評価すること危険であるが、
橋本府知事が一喝した事により、
大阪府民全員が府の子供たちの学力点が低いことを認識した。
まずはその事態を認識させることが教育に対する意識改革を押し進めるきっかけになるのだ。
三重県はどうか。県民はこの学力調査の結果を認識しているのだろうか。
また、橋本府知事の言動を「他人事」と見てはいないだろうか。
これ以上の言及は一塾人の立場の範疇を超えるので差し控えるが、
県民全体としてこの問題に対して意識レベルを高めないといけないというのが私見である。
今回は新年早々、苦言を呈すところもあったが、
教育の一端に身を置くものとして教育全体について述べさせていただいた。
次回は「なぜ秋田県が全国1位になれたのか。」について迫ってみたい。