忘れることと考えること
2017年08月31日
評論家の外山滋比古氏は、覚えることよりもうまく忘れることの方が、よりむずかしいという見解を
述べています。いったん学んだことを忘れるのは、覚えるよりはるかに困難であることは、忘れる
努力をすることが稀なだけに普通は思いも及ばないらしいです。
確かに、いわゆる受験勉強のように記憶で勝負する状況では、忘れてはお話になりません。
忘れる、即ち敗北を意味します。ここでは覚えておくことが価値を持ちます。
ところが頭で新しいことを新しい考えを創り出すとなると事情は違ってきます。既成概念がありすぎ
ると、それに縛られてしまい新しいことを思い付こうとしてもその余地がないのです。アイデアを捻り
だそうとするよりも、頭の中に存在している知識から役に立ちそうなものを引き出してこようとします。
新しい発見ができる人というのは、既知の考えや常識に囚われることなく、自由で柔軟な発想がで
きる脳の持ち主なのだと思います。
スタディー羽津校 門馬