忘却と新発想
2017年09月09日
評論家の外山滋比古氏は、人間は覚えることよりも、上手く忘れることの方が難しいという見解を
示しています。いったん学んだことを忘れれるのは、覚えるよりはるかに困難であることは忘れる
努力をすることが稀なだけに、普通は思いも及ばないらしいです。
確かに、いわゆる受験勉強のように記憶で勝負する状況では、忘れてはお話になりません。敗北
を意味します。ここでは覚えておくことが価値を持ちます。ところが頭で新しい考えを創り出そうと
なると事情は違ってきます。既成概念がありすぎると、それに縛られてしまい新しいことを思い付
こうとしてもその余地がありません。アイデアを創りだそうとするよりも、頭の中にある知識から役
に立ちそうなものを引っ張り出してくることを思い付きます。
新しい発見ができる人というのは既知の考えや常識に囚われることのない、自由で柔軟な発想
ができる脳の持ち主なのだと思います。
スタディー羽津校 門馬