「ほめて伸ばす」二つのコツ
2012年04月30日
「ほめて伸ばす」のが教育の王道。
ところが、保護者のみなさんとお話しすると
「わかってはいるんですがなかなか」
「何をほめたらいいのか」といったお悩みの様子が伝わってきます。
たしかに、成長とともに「ほめる」機会は減り気味になるもの。
赤ちゃんなら「おお、立った!」「よく食べたね!」と、いくらでもネタはあったのに……。
■箇条書き作戦 ――リストアップでどんどん具体化
何であれ求めるものをまず、目に見える形にすることです。
お買い物のターゲットでも、お目当てのショップでも変わりません。
具体的には「箇条書き」にして、見えるようにすることです。
では、お子さんの長所はどこですか? 書いて、まとめましょう。
長所は、その時々で浮かぶことはあっても、ついつい流れて去ってしまうことが多いのではありませんか。
ですから、意を決して書きためるのです。
順番はあまり考えず、どんどん書きましょう。
なお、項目ごとに何か、具体的な事実を書いておくと印象がより強まります。
たとえば、次のように……。
1 優しい(虫を殺せなかった)
2 勇敢(弟を断固としてかばった)
3 好奇心旺盛(博物館で親よりも熱心だった)
■リバース(裏返し思考)作戦――思い浮かばない場合の必殺技
「箇条書きにするほど思いつきません」
「考え出すと気に入らない点ばかりが思い浮かんで……」
そんな方にはリバース(裏返し思考)作戦です。
そもそも、よいことと悪いことは、コインの両面のようなものです。
○骨折して入院した――じっくり読書する時間が手に入った
○最悪の点を取ってしまった――次は上がるほか無い
○試合で惨敗――自分の弱点がつくづくわかった
まず、弱点を箇条書きにする。
そして、それを裏返して、長所として書き直してください。
1 優柔不断→ものごとを丁寧に考えようとする
2 あきっぽい→いろいろなことに積極的に興味を持つ
3 融通がきかない→堅実で信用できる
書いてみたら、ぜひ、お子さんに「あなた、なかなか○○ね。
うん、そこ、案外いいかも」と語りかけてください。
もし、親子で照れくさいというのなら「――って、○○先生がいってたわよ」はいかがでしょう。
それも恥ずかしいようなら、何かの機会に書き出した結果をお聞かせください。
私どもから「――って、お母さんが言ってたよ。結構、嬉しそうでねぇ」
と取次ぎ役を買って出ることにいたします。