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積極性

8月のある日、塾人にとっては夏期講習なるものの真只中に1本の電話があった。
主は数年前からつきあいのあるクジラ編集室のKさんだった。
電話の内容は、秋からスタートさせるエッセイを書いて欲しいというのもだ。
塾人の私にいったい何が書けるのか、いささかの不安を覚えながら担当者のMさんの説明を聞いた。
すると連載ものだという。ますますムムム・・・となってしまった。
しかし、そこは一念発起「よしっ!やってみるか!」と軽い気持ちで受けてしまった。
しかし、いったい何を書けばいいのか・・・塾人として何を・・・、
そんな思いを巡らせていたが、相変わらずの性格だ。
すぐに「とりあえずやってみるか」といつもの調子で執筆開始!
我ながらこの行動力と積極性には感心させられる。(後先を考えないという見方もあるが・・・)
ズバリこの「積極性」が今回のテーマである。
今の子どもたちに欠けている部分の一つであり、今後の人生で重要なファクターになる部分である。
昭和の時代であれば「あの子は控え目な性格」や「目立たないけどやるときはやる子ね」
といったように積極的な行動がとれなくてもそれなりの評価がされていた。
しかし、平成の現在では、目まぐるしく変化する社会の適応でき、
その中で自分自身をアピールしなければ生きていけない時代である。
この傾向は今後ますます顕著になるだろう。
子どもたちが通う学校を例に挙げてみよう。
小学校は以前から導入されていたが、中学校では2002年から始まった通知表の絶対評価。
我々親世代の中学校時代はクラスや学年で「5」が何人あるいは「4」が20%のような
それぞれの評価が割合で決められていた相対評価によって成績がつけられていた。
この相対評価だと受験競争を煽るだけでその子自身の評価にならないと、
現在の絶対評価になったようだ。一見すると非常によい評価方法のように思えるが、
他人と比べずにその子一人について評価をすることになるので、評価する側の人、
つまり担当の先生の主観によるところが大きいということだ。
回りくどい言い方でなく単刀直入に言うと、先生へのアピールがどれだけできるかが、
成績を上げるPOINTとなるわけである。ここで言うアピールとは、単に手を挙げて発表したり、
質問したりするということだけではない。授業準備や片付けを積極的に行ったり、
提出物を期限より早く提出したり、ノートを綺麗に見えるように色分けをしたりと
何事にも積極的に取り組むことが成績UPのコツである。
このことを理解していれば絶対評価を味方につけることが可能である。
と言ってもテストで手を抜いては元もこもないが・・・
うちの子はまだまだ小さいから・・・と思っているアナタ!自分の子どもを見て?
積極的に行動している?やることが分からなくて「次何するの~?」と聞いて来ない?
あなたの言うことばかりに従っていない?自分で遊びをつくり出している?
今からでも十分間に合う積極性を養う方法、ぜひ実践してみては?
○ 物事を選択させ決めさせる・・・主体性を養う
「今日はこれをしようか」ではなく「今日は何する?」や「今日はどれにする?」と問いかける。
○ 決めた内容に目標を持たせる・・・持久力・忍耐力を養う
「じゃあ今日はどこまでやる?」や「何時までやる?」と目標を決めさせる。
もちろん達成できたときには最高の笑顔で最高の褒め言葉を掛けてあげよう!
子どもは親に褒められるのが一番の幸せ。自信に満ちた子どもを育てよう。
ふ~・・・こんな文章で良いのやら。不安いっぱいだがとりあえず校了!
ご意見・ご感想お待ちしています。
「塾人のちょっといい話」/月刊Kujira(1月号)掲載

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