進路
2008年02月01日
この時期(この号が発売されている2月)は
子どもたちにとってどのような時期かおわかりだろうか?
そう、入学試験シーズン真っ最中である。
小学6年生にとっては私立中学入試、中学3年生は高校入試、高校3年生は大学入試と
それぞれの将来を大きく左右する人生の岐路に立っているのだ。
子供たちにとってそのような状態に立たされるのはほぼ初めての経験である。
しかも、それが自らの力によって決するという少々酷なものでもある。
さて、今回は上にも書いた「進路」について触れてみようと思う。
子どもは大人になるまでに何回「進路」を決めるのだろう。
まず、親が決定権を持つ時期では保育園か幼稚園か、
またその保育園・幼稚園も公立なのか私立なのか。
その後の小学校でも地元の公立小学校以外にも私立小学校もある。
中学に進学するときはどうか。このころになると自分の進路について考える子がでてくる。
地元の公立中学に通うのか私立中学(国立もある)に入るか。ここは大きな選択である。
なぜか?
それは私立中学に入れば中高一貫教育(高校入試がない)だからである。
ほとんどの私立中学では中学3年生の段階から高校の内容に入っていき、
高校3年生を大学受験準備の学年と位置づけるのである。
それで大学入試は公立高校の子たちと同じ。
こう書くと私立中に入れた方が断然有利と思うかもしれない。
しかし、そうとばかりは言い切れない。
高校入試がないということで公立中と比べ、中3時の学力向上が計られないからである。
この様なことも含め、小学6年生時にはその先の先にある大学進学までを見据えた
進路決定をしてしまわなければならないのである。
しかし、実際には小学6年生になってから「私立中学に行こう」と決めても遅いのが現状だ。
中学入試の入試問題を見れば分かるのだが、
問題レベルはどの私立中も小学校の教科書の内容だけでは到底足りない水準にある。
そして、出題範囲は小学5年生の内容からもかなり出ているので、
中学入試への始動のタイミングとしては小学5年進級時がリミットであろう。
早ければ早いに越したことはないが、あまりに早い段階からの始動は、
小学生でしかできない様々な経験や体験を通して作られる人間形成に歪みを生じさせかねない。
文武両道とはよく言ったもので、小学生なら習い事と勉強、中高生ならクラブ活動と勉強を
いかに両立させ、こなしていくかも人間形成という側面からは必要なことであろう。
最後に今回私が伝えたいことは、進路選択とは進路を選択しなければならないときに
どれだけの選択肢を持っていられるかがものを言うということだ。
選択する際にこちらから選ぶことができる状態にしておくことが大切で、
向こうから選ばれるようではダメなのである。
例えば中学から高校への進路を考える時に先生から
「君ならY高でもK高でもM高でもどこでも大丈夫だから好きなところを受験しなさい。」
と言われるのと「君の成績だと○高校ぐらいしか行けそうもないな。」と言われるのでは
どちらが良いかは一目瞭然だ。
つまり、選択肢をたくさん持っていればそれだけ自分の進みたい道へ進みやすいのだ。
そのためには、何かにつけ日頃からコツコツとした積み重ねが大切なのである。
「塾人のちょっといい話」/月刊Kujira(2月号)掲載
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