国語力をつけよう②
2010年09月04日
前回に引き続き、「要約のススメ」について書いていきます。
前回は、要約をするにあたっての文章の構造を簡単に解明しました。
では、要約が何に役だって、どういう効果があるのか。
実力テスト、入試など、はじめてみる文章を読み解く場合に、読みまちがいがおこりにくくなります。
なぜなら「この文章の言いたいことは要するにこれでしょ」という状態で読み進めるのですから、
迷いようがありません。
もちろん、要約の問題が出れば、ますますうまくいくことは確実です。
さらに、このような「構造」をつかんでおくと、作文もずいぶんと楽になります。
何となく行き当たりばったりに書くのではなく、
全体の構成や順序をイメージできてから書けば、スムーズに、
しかも、読みやすい文章が出来上がります。
三重県では、160 字~200字の作文が毎年必ず出題されます。
しかも他の読解問題などを解いていると、作文に割ける時間は10分程度に限られてきます。
その限られた時間にいかに自分の考えを筋道だった文章で表現できるかが試されます。その訓練にも要約は非常に力を発揮します。
具体的に訓練の方法をお教えしましょう。
手始めに次の文章を100字にまとめてみましょう。
制限時間は5分です。
400字詰め原稿用紙の4分の1の量です。
みなさんは子供に「なぜ勉強しなくちゃいけないの?」という質問に何と答えるだろうか?
「いい高校に入って、いい大学に入るためよ。」
「いい会社に就職するためだよ。」
もっと抽象的に
「将来楽に暮らせるためよ。」や「大きくなって苦労しなくて済むように今のうちに勉強するのよ。」
すべて正解であろう。しかし、子供たちは納得しているのだろうか?私も子供の頃同じ質問を大人にぶつけた ことがあるが、答えはおおよそ先に書いたようなものだったと思う。子供なりにその答えを理不尽に思い、消 化不良のまま飲み込んできたのだろう。
大人になった今も、実はこの質問の真の答えが見あたらない。質問してくる子供の年齢によっても答えは違っ てくるが、答えたあとで「今の答えは大人の『へりくつ』だったな。」と思うこともある。
その答えとして私が生徒に言うのは「将来、理科や数学は必要ないかもしれない。けど、君たちの年齢は勉強 をしなくてはいけない時期だ。するべき時にするべき事ができる人、するべき事を期限までにできる人は将来 どのような道に進んでもきっと成功する。将来必要ないから勉強しないという人は、なんでもすぐに理由をつ くって逃げだしてしまう人。そうならないために、教科など関係なく今は勉強すべき時期なのだから逃げずに しっかり勉強しよう。社会が求める人材とはまず基本ができている人。基本とはなすべき事がきちんとできる こと。だから、今できることを確実にしよう。」である。
さあ、どうでしょう?時間内にできましたか。
まとめられたら、それをこの文章を読んだことのない人に読んでもらいます。
そしてその人が100字にまとめられた文章を読んで、内容がきちんと理解できれば、合格です。
これくらいの文章を100字程度にまとめる訓練をしていくわけです。
題材として適しているものは、新聞の1面の下についているコラムです。
ボリュームも程よく、内容も時事的な文章が多いので一挙両得です。
毎日だと内容が子供には難しいこともあるので、1週間に2回から3回程度できれば、早い子で1ヶ月ほどで効果が現れます。
特に中3生は今から始めれば、入試までに必ず間に合います。
要約からはじまる国語の達人コースに進みましょう。