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教科書が変わる②

 先月に引き続き、来年度から実施される中学校の新学習指導要領についてお話しします。
今回は、各教科別にどのような点が改訂されるのかを中心に解説します。
 まず、英語です。コミュニケーションツールとしての英語学習という点では、
現行教科書の内容を踏襲しています。
しかし、今回の改訂で「読む」「書く」の重要性が再確認されるようになりました。
つまり、「文法学習」にも重点が置かれるようになったと言えます。
単語数は現行の900語程度から1200語程度に増加されます。もちろんそれに伴い英文も長文化されます。
また、「歯止め規定」の撤廃により、より高度な内容も掲載されるようになります。
 次に数学ですが、前回の改訂で削除された項目
「2次関数の解の公式」
「球体」
「平面図形の移動」
「立体の投影図」等が復活してきます。
これだけでもボリュームが増えますが、
現行教科書では応用問題で取り扱われてきた問題が、例題や基本問題として登場するので、
難易度もアップすることになります。
例えば現行教科書では「計算問題は全問正解しよう!」
といった目標を全員が持てましたが、
それもままならなくなってしまいます。
そのような教科書を使って授業をするわけですから、
学校では今以上に習熟度別クラスや少人数クラスによる授業の徹底が求められるでしょう。
 理科ですが、主要教科の中で最もボリュームアップされる教科です。
ページ数でいうと全教科書平均で45%アップされます。
内容は前回の改定で削除された項目の復活はもちろんのこと、
各項目についての情報量の多さが目を引きます。
そのページ数増の要因の一つには、現行教科書には実験の手順や実験方法の記載はあるものの、
その結果やまとめを載せていなかったことが挙げられます。
新教科書にはその実験結果やまとめが載っていたりと、独力でも学習できるようになっています。
また、理科離れを防ぐために図や写真を多用しているのも特徴です。
 次は社会です。社会の特徴は地理分野に現れています。
現行教科書では世界の国から数カ国、日本の都道府県から数県を取り上げるに過ぎず、
全域を学習することはありませんでした。
しかし、新教科書は以前のように世界地理・日本地理とも全地域を学習するようになるので、
包括的に地学を学習できます。
歴史・公民に関しては「歯止め規制」の撤廃により、より深い内容まで言及している箇所も見受けられます。
 最後に国語ですが、特に大きな変化は見当たりませんが、
特徴としては夏目漱石をはじめとする近代作家の文章の増加と古典の増加が挙げられます。
「話す」「聞く」を重点に置いた学習から「書く」「読む」にも力を入れた
バランスの取れた学習内容になりそうです。
 このように、各教科とも内容が非常に濃くなったことが特徴です。
既に現中学生も移行措置対応で上記内容を学習し始めていますが、
小学生時代にはゆとり教育で育ってきた世代ですので、内容理解には、やはり時間がかかってしまいます。
 しかし、今後は幅広い内容をより深く学習していくことになるので、
自ずと学習時間を増やさなければなりません。
今までのような家庭での学習量では足らなくなるのは必至です。
家庭での学習量の確保が今後、重要視されてきます。
 
私どもスタディーでは来年の教科書改訂に向けて、対策を協議していますが、
絶対時間数の確保をどうするかが課題になっています。
授業時間数の拡大も含めて協議を続けたいと思います。
                

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