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国語の解法 ~読解問題~

国語の読解、それも実力テストや入試問題のレベルとなるとしり込みしてしまう人も多いのではないでしょうか。
 「はじめて読む文章」「練習しても効果がありそうな気がしない」などの理由でしょうか。
でも、それは誤解というもの。
国語の読解問題は、「問われたことを正しく理解し、正しく答える」これだけなのです。
 「読解問題」の必要最小限のルールを二つ記します。
1 「何を」「どう」答えるのかを明らかにして解く
2 解答は本文中から探す
 まず、設問の意味を正しく理解してください。「何を」答えるのか。
「この問いは、このようなことを答えるよう求めている」と、はっきり説明できるようになってから答えなくてはいけません。
 次に解答はあなたの頭の中で作り出すものではなく、本文から探し出して書くものなのです。
読解問題とは「解答を探すゲーム」ようなものです。
 では、高校入試問題です。読んで解答してみてください。
例題 青森県 2010年
 そしてそのような世界観は、たしかにいま私たちが手にしている世界観からすればとんでもない誤りにはちがいありません。しかし、彼らが生きていた時代においては、彼らが経験しうるすべての経験に照らし合わせてみたとき、「充分に納得のできる正しき世界観」でもあったのです。彼らが手にする経験とそこから得た法則から推測して、この世界は巨大な水盤であるという世界観は紛れもない「真実」であったのです。
 
 問 下線部の「紛れもない『真実』」とあるが、これとほぼ同じ意味で用いられている表現を、本文中から十五字でそのまま抜き出して書きなさい。

 まず、「何を」答えるのか明らかにしましょう。
「紛れもない『真実』」とほぼ同じ意味の表現、ですね。
要するに、『真実』を別の言葉で言い換えている部分を探せ、ということです。
キーワードは「真実」です。何が真実なのか。きちんと読みましょう。
「世界観は紛れもない『真実』であった」とあります。「世界観が真実」ですね。
 次にどこを探すか。
基本はまず、問いの傍線部などと同じ段落から、です。
この場合、後がありませんから、前に戻るしかありません。
どんな「世界観」か。二行前に「正しい世界観」とあります。
 最後に「どう」答えるのか。「本文中から十五字でそのまま抜き出して」答えるわけです。
「そのまま抜き出して書け」という場合は、何も変えずに完全に書き写さなくてはいけません。
と、いうことは、この設問は、大体このあたり、と見当をつけて、字数を数えれば正解できる、ということです。
できましたね。
【充分に納得のできる正しき世界観】――わざわざカギカッコまでつけて「ここに答えがあるぞ!」と叫んでいるようなものです。
探す場所さえ間違えなければ多くの問題はこれくらいのレベルです。
では、どこを探すのか、を説明します。
 本文から探す順番
 1 傍線などのある「文」
 2 その前後の文
 3 その段落
 4 その前後の段落
要するに傍線や空欄の近くから探し、なければだんだん探索の輪を広げる、という方法。
もちろん、設問にどこから探せ、と指定してあればとても楽になります。
また、傍線部に指示語があれば普通はその前だけで解決します。
反対に「しかし」のような逆接があったら、その前は見なくてよいことも知っておきましょう。
 次は、一見難しそうな読解の最後に置かれた「その内容を四十字程度で書きなさい」のような問題。
これも、ルールさえきちんと知っていれば、とてもかんたんです。では、例題にチャレンジ。 
例題② 大阪府(前期) 2006年
「すばる」のような新しい大きな望遠鏡は、人間のそれまでの宇宙の認識の限界をうち破り、大きく拡げる役割を負っている。そんな役割を果たすことができる望遠鏡を作り、それで宇宙の未知の大海に乗り出して行きたい。私たちが宇宙観測の新しい装置の開発に傾ける情熱には、そうした未知の領域への期待がある。自然をもっと知り、理解したい。それは、人間が遥かな昔から抱きつづけてきた、本来的に持つ情熱だ。そしてその情熱こそが、科学の根源なのである。
 
 問 本文中で筆者は、「科学の根源」とはどのようなものであると述べているか。その内容を四十字程度で書きなさい。

「科学の根源」についての質問です。
「何を答えればいいのか」は「科学の根源がどのようなものか」です。
では、探してみましょう。
どこを探すか。
「科学の根源」は文章の最後ですから、順に前に戻るわけです。
「その情熱こそが、科学の根源なのである」とあるのですから、「情熱が科学の根源」です。
解答は「情熱」。
これでは「四十字程度」にまったく足りません。
そこで、本文を読んで「その情熱」がどんな情熱なのか、を書けばいいわけです。
この問題には「本文中の語句を用いて」などの指定がありません。
でも、本文の語句を使うのです。指定がなくても、これが鉄則です。
なぜなら、国語の読解は結局、本文にどう書いてあるのか探せ、といっているだけなのですから。
「その情熱」は指示語ですから前の文を読みます。
人間が遥かな昔から抱きつづけてきた、本来的に持つ情熱――と書いてあります。
これでいけそうですが、二十六字。もう十字くらい欲しいところ。
今の部分のはじめに「それは」とあります。この指示語をたどれば追加できそうです。
「それ」とは何でしょうか?自然をもっと知り、理解したい――ということです。
ここが十四字。
では、くっつけます。
「自然をもっと知り、理解したいという、人間が遥かな昔から抱きつづけてきた、本来的に持つ情熱」
これで四十四字。正解です。
きかれたことを正しく理解する(何をどう答えるのか)。
そして、本文から解答またはその根拠を探す。
ルールはこれだけです。
 このルールさえ理解しておけば、学年に関係なく、入試レベルの国語をどんどん解くことができます。
 夏休みは学校の国語がストップします。
ちょうどいいチャンスと考えて、読解問題のコツをマスターする季節にするのはいかがでしょうか。

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